キッチン   吉本ばなな

久しぶりによしもとばななの初期作品を読んでみたくなって読んでみた。
「キッチン」は、懐かしかった。
ストーリーは映画も見たことあるしなんとなく覚えていたけれど、久しぶりに読んだなっていう懐かしさじゃなくて、そんな時代だったねっていう懐かしさでもなくて、でもなんだか懐かしいなぁって思った。
初期のころの荒削りな感じといい、伝えたいことがダイレクトにある感じといい、初めて読んだ時よりも魅力を感じた。最近の作品みたいに、説明的な部分というか細かい心情とかがあまりない分(それでも充分あるんだけどね)、さっぱりしててこれはこれでいいなと思った。


でもこの小説の中で一番印象に残ったのは、「満月-キッチン2-」だった。
夜の闇の中で一人佇んでいるようなそんなイメージ。
そんなイメージが本全体のイメージになってしまった。



人生には、今しかない、今動かなきゃもう変わらないってタイミングがきっとあるんだろうと思った。



誰も彼もが優しくて、深い心を持っている。
深い心の中で悲しみが水みたいに揺れている。
だけど彼らが持っているものは、温かくて柔らかな光。
続いていくことは、流れる事じゃなくて、流れの中で自分のペースで、歩んでいくこと。


キッチン (新潮文庫)

キッチン (新潮文庫)


よしもとばななの作品を最初から順番に読み返してみようと思う。
もう一人、初期から順番に読んでみたい作家がいて、それは村上春樹なんだけど、去年から今年は村上春樹読破するぞーと思ってたのに、全然進まず。
この前やっと「風の歌を聴け」を古本で発見したので読み始めたいと思います。あえて古本で探さなくてもよかったんだけどさ。それを口実に引き伸ばしてた感も否めないな。
今まで読んだことあるのは「ノルウェイの森」くらいかな?
よしもとばななはすらすらと読めそうなのに、村上春樹は気合を入れないと読めそうじゃないのは何故。。
しかも村上春樹の小説はなかなか古本でない!あっても高い!
とりあえず今月は読書月間だったけど、来月からは時間がなくなりそうなので、なんとか時間を見つけて読みたいと思います。
映画もそうだけど、本も続けて読んだ方が入りこめておもしろいんだけど、夜更かしになってしまうー。