2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

 国境の南、太陽の西

村上春樹著 講談社文庫 '95.10.15 感情ではなく形のないある種の感覚を与えるには、ストーリーの出来事ではなく登場人物の感情でもなく、小さな言葉の表現にあるのかもしれない。気にも留めない小さな言葉たちによって、気付かぬうちにある感覚に陥れられて…

夢のはなし

夢の中で、ねむっている自分をみた 世界が閉じたがっている 思春期の頃、貪るように眠ってばかりいるのは、 意識が大人になりたくないと抵抗するかららしい 外界から自分を守るために眠る 明け方、意識の彼方で雨が近付く音を聞いた

ASIA ROAD

小林紀晴著 講談社文庫 初版04.10.15彼らは私の過ぎてきた景色の中に生きていた。彼らは自分を知っていた。 私は今もそれを捉えきれない。 穏やかに晴れ渡った空。 私は自分の部屋のベッドで本を開く。 窓から流れ込んだ風が、私を遠く連れ去る。 同じだ。 …