失調について。

心が壊れることで体が壊れることを目の当たりにしている。




胃潰瘍とかストレス性の湿疹とか、精神的ダメージが表面的に体に現れることはよくある。
また、不眠や鬱、過食症や拒食症等になることもある。



私の場合心が重くなると、食べれなくなり眠れなくなり鬱状態になる。
つまり生きていく為に基本的に必要なことを体が拒否する。




今の職場に来てから、精神的疾患がその人の全人生を壊すことを目の当たりにしている。
彼女たちは外的要因か内的要因か、自分の心の負荷に耐えきれなくなり体に失調をきたした。
それは自律神経失調症と呼ばれることもあれば、病院をたらい回しにされた揚句、原因不明の失調症と結論付けられたりした。
どれだけの負荷が彼女たちを壊したのか、私には計れない。
しかし彼女たちはもう二度と自分を取り戻せないほどに壊れてしまったのだ。
幻覚・幻聴・乖離・退行・四肢のコントロール失調・パニック・中毒症・脳梗塞・がん
彼女たちは怒涛の如く襲いかかるそれらに、体を細くして耐えている。
耐えようとする意思すら明確に持ち続けられないまま、絶えざるを得なく耐えている。



彼女たちは目の前に起きることに、過敏なまでに感じ反応する。
感情をコントロールできないまま、表面に現れる。




私は彼女たちを治すことも守ることもできない。
ただ、生きていく為の手伝いをしている。






私は強くもなければ弱くもない。
自分の中に眠る爆弾を直視できないまま日々をやり過ごしている。
ただ、壊れたくはないと思っている。
心のコントロールも体のコントロールも失ってもなお、人は生きなければならない。
生かされてしまう。
だから私は私自身を失いたくない。
けれど今はまだ眠る爆弾と向き合うことはできない。
今はまだ、爆弾の解除法の見通しが全く見えない。
それがいつか見えるまで、私はそれを眠らせたまま、自分を壊さないように保っていく。





人はそう簡単には壊れない。
けれど簡単に、取り戻せないほどに、壊れてしまう。




どうか、壊れないで。