「落下する夕方」 江國香織

 久しぶりに小説を読みました。最近は友達に借りた「バックパッカーパラダイス」「(同)2」「ハワイで大の字」など、旅モノばかり読んでいたので。午後から半日かけて読み終わりました。江國香織の小説は多分「冷静と情熱のあいだ」くらいしか読んだことがなかったと思うのだけど、今日この本を選んだ理由は〈1〉ずっと読みたかったから(高校生くらいから)〈2〉読みやすい本を読みたかったから、です。題名は知っていたけれど内容は全く知らなかったので、おもしろく読むことが出来ました。
 こんなきれいな恋ができたらいいなぁと思いました。きっと私の現実ではあり得ないけれど。
 よしもとばなな然り、この世界にずっといたいと思わせられました。うまい言葉が見つからないけれど、よしもとばななの世界が空気感でそうさせているなら、江國香織の世界は(「落下する夕方」は)人間関係によってそうさせていると思います。誰もが等しく愛しい。「起承転結」の「転」が、よしもとばななはより緩やかでそれが作品の一定した心地よさを生み出す。それに慣れていたせいか、「落下する夕方」の「転」から「結」は少し居心地が悪くて激しすぎた気もします。「もう終わりだよ」って心地良いところから追い出されるみたいに。
 また読書がたくさんできるといいな。

落下する夕方 (角川文庫)

落下する夕方 (角川文庫)