きみは忘れちゃうんだろう ぼくも忘れちゃうんだろう 憎しみは消えないのに 愛情だけが形を変えて ずっと胸の奥に生息するから 暗闇はぬるく まるで泥の中を歩くみたいに 汚れながらきみを思うのに きっときみは忘れちゃうんだろう 思い出は車窓からの景色み…

ヒーターを消して暫くすると、夜更けの窓の外に雨の音が聞こえた。いつかも同じように、浅い微睡みの中でしとしとと流れる雨の音を聞いていた。ちゃぽんと水溜りを踏むように、遠い記憶が重なる。 懐かしい匂いがして、切なさがざらざらと胸を撫でる。少し気…

久しぶりに着たジャケットのポケットに手を入れるとき、 指先は敏感に何かを探る。 きみは何が入っていたら、と思う? いいなと思うのはお金。 ありきたりなのは溶けてしまったキャンディー。 あとは、ごみ? 何が入っていたら、と思う? ぼくは掌に転がるき…

上手く喋れないから喋らないようになったのか 喋らないでいたから上手く喋れなくなったのか どちらにしても喋ることは得意ではない 口を閉じて紙に向かってペンを走らせている方がよほど楽だ おそらく書くことは喋ることができない故のはけ口に過ぎない私は…

冷たい心 薄汚れた孤独 黒い涙は まるで雨みたいだ 守れないら それはそれで仕方がないことさ 優しい瞼の 幕が落ちる 答えは要らない 凭れきってしまえ 出口はどこまでも遠く きっと辿り着けない

きみがうたう でたらめな歌詞の 愛しい曲春の風が きみのもとまで 届けばいいな

夜は いつまでも 走りつづけていられそうな気がする

どこここどこもかしこ 何処此処何処も彼処也 あれは海の彼方の奴也 丸木舟は彼の持ち物也 狂気の沙汰は凡庸の性 沙汰はオチャラケチャラケタ騒ぎ 騒げ騒げ 性はオチャラケチャラケタ騒ぎ 騒げ騒げ 騒げ騒げ