上手く喋れないから喋らないようになったのか
喋らないでいたから上手く喋れなくなったのか
どちらにしても喋ることは得意ではない
口を閉じて紙に向かってペンを走らせている方がよほど楽だ
おそらく書くことは喋ることができない故のはけ口に過ぎない

私は恐ろしいほどの臆病である
そして自意識過剰な上に自信というものがまるでない
しかし私は人間である故に
他人とコミュニケーションを取らねばならないし
その方法は言葉によるものが大きい
他人とのコミュニケーションを放棄するということは
人間であることを放棄するに等しいかもしれない
コミュニケーションを取る能力を生まれながらに与えられた者は
その能力を失わない限りそれを駆使することを強いられる

私は人間でありたいのだと思う
自分の為ではなく他人の為に
他人が存在しなければ
私はただの葦になりたいとさえ思うのだから

いや、おそらくはそんな気分になる時もあるに過ぎないのだろうけれど