ばいばいぱんぷきんぱい。


生きてる。
どうやら私はまだ生きていて、
どうやら死ななかったらしい。



昨日、雨の通勤途中、事故に遭った。
私は原付に乗っていて、
突然出てきた軽トラをよけきれずにぶつかった。
ブレーキを強く握って、
ハンドルを右に切って、
雨でスリップした瞬間激突した。
ゴロゴロと道路を転がって、
気づいたら反対車線の白線の上にいた。
回転しながらヘルメットが擦れる音がこだまして、
あぁ本当にゴロゴロというんだなぁと思った。
顔を上げると原付は軽トラの下に入り込んでいた。



パニックと、
冷静になろうとする頭と、
妙な緊張感と、
変な気持ち悪さで、
震えが止まらなかった。



救急車で運ばれながら、
これでパトカーと消防車と、
ついに救急車まで制覇しちゃったな、
なんて考えた。
(パトカーは小学校の同級生が交番の娘だったからで、
消防車も小学生の頃、火事の帰りに、
「そこの子供たち、乗ってくか??」
とスピーカーで声をかけられたからである)



救急車の中で目を閉じる。
気を抜いた瞬間意識がなくなるんじゃないか、
と思って目を開ける。





ま、ケガは大したことなく、
打撲と擦り傷で済みました。
しばらくは毎朝病院通いだけど。



先週の木曜日、
今年初めての筍掘りをして、
「やっぱ筍掘りはサーフィン前のいいトレーニングだわ」
なんて思っていたが、
筍掘りもサーフィンも遠ざかってしまった。。



でも案外大丈夫。
きっと痛みもすぐになくなるし、
腕も足もブンブン振り回せるようになるだろう。





「こんなことくらいじゃ人は死なないだろう」
と、思いながら、
「案外こんなことであっけなく死んだりもするんだろう」
とも、思う。
生きていることに感謝しながら、
死ななかったことを不思議に感じる。




「この程度の怪我で済んでよかったね」
と、誰もが言う。
私もそう思う。
「事故に遭うなんて最悪だね」
とは、誰も言わない。
そりゃそうだ。





ぶつかった瞬間の衝撃から、
ゴロゴロという音がするまでの、
ほんの一瞬の記憶がない。
道路に落ちた瞬間がどんなだったか覚えていない。



今も、
突然意識がなくなるんじゃないか、
という思いにとらわれる。





人間、いつでも死ぬんだな。





死は、
もう10何年も私の傍に居て、
時々あぁ死にそうだなぁと思うこともあるけれど、
目を開けたらバッと目前に迫るほど死を感じたのは初めてだった。





不思議だけれど、
妙に冷静に受け入れられる。
生きたい!って強く思ったわけでもなく、
救急車の中で、
あぁ今死んでも別に大丈夫なんだなって思ってしまった。
普段よりもさらに冷静にそう思えてしまった。








生きたい。
って、
そう思えたら、
いいんでしょうね。